~神を讃えるプレリュード~
なぜ誰も重弦で弾かないのかの記事で、ある数字に気付かれた人がいるだろうか?
それはこの重弦が始まる場所の数字である。
この重弦は第33小節の3拍目から始まっている。
ぼくにはこの3並びがどうも偶然だとは思えなかったのである。
そこでよく調べてみると、この重弦は12拍続いている。このプレリュードは4分の4拍子だから、12拍ということはちょうど3小節分と言うことである。
さらにこの重弦の出始めは、3つ続きの16分音符の重弦になっている。
この「3尽くし」が偶然であり、バッハの意図したものでないと思う人は、これから先は読まなくてもいいだろう。
キリスト教では三位一体ということから、3は神を意味する(といってもこのあたりの詳しいことは、ぼくはよく知らない。とりあえずここではそう考えて問題ないだろう)。
つまりバッハはこの重弦で神の栄光を讃えているのである。実際この部分をバッハの書いたとおりA線とD線の重弦で弾くと、光り輝くようにAの音が鳴り響くのである。
さらにぼくは、このような数字にこだわるバッハのことだから、ほかにもこのプレリュードには何か秘密の数字が隠されているのではないかと思ったのである。
そこでこのプレリュードの小節数を調べてみた。できればこれを読んでる皆さんも自分で調べてみるといいだろう。
このプレリュードは、、、
42小節でできている。
42とは何か?
そう、7x6である。
7はキリスト教では完全な数字であるという。神は6日間で世界を作り、7日目に休まれたから。これはこれで一つの答えではある。
でも他に何か無いだろうか?
7x6は、
14x3でもある。
14と言えば「バッハの数字」ではないか。
BACHをアルファベットの順番の数字に置き換えると、B=2、A=1、C=3、H=8 で、全部を足すと14になるわけで、バッハはこの数字を大変好んだ。
例えば「平均律クラヴィーア曲集第1巻」の1番(ハ長調)のフーガのテーマは14の音で出来ている(タイで結ばれている2つの音符は1つと考える)。
そしてさらに驚嘆すべきことなのだが、チェリストであれ、びよりすとであれ、ギター、サックス、リコーダー、トロンボーン、コントラバス、ヴィオラ・ダ・ガ ンバ奏者であれ、この曲を演奏する人は全て、あるいは演奏はしないがこの曲を愛する人は全て、ここから先を読む前にご自身でこの曲の構造を研究してみてほ しい。
気づかれたことと思うが、、、
このプレリュードは実際に14小節x3で組み立てられていたのである。
より把握しやすいように、上段に元の楽譜を(小さいが)、下段にそれを和声に要約したものを示しておく。
これはつまり、このプレリュードで「バッハ(14)が神(3)の栄光を讃えている」ことを意味している、と言って間違いないだろう。
そして第3部分は別として、前の第1部分と第2部分はそれぞれ7小節づつの2つの部分に分かれるのである。
7(完全な数字)x2=14(バッハの数字)である。
そしてそれとはまた別に、全体はフェルマータによって完全に2つの部分にも分けられており(フェルマータは小節の中ほどにあるように見えるが、実際には上の楽譜の下段に見られるように和音全体にかかっているのであり、それが単にアルペッジョになっているだけである)、前半はアルペッジョ主体、後半は音階主体という構成にもなっている。
実に驚くべき構造である。
ぼくはこれをカレンダーと呼んでいる。
また上にも書いたように、神は6日間で世界を作り7日目に休まれたことから、このプレリュードは天地創造をも表しているのかもしれない。
無伴奏チェロ組曲は、神を讃える堂々たるプレリュードで始まるのである。
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